ふるさと塾:第7回講座

 「ふるさと塾」第7回講座が2024年10月9日(水)に開催されました。
 テーマは「川越の歴史的建造物と町並み保存」で、講師は元川越市立博物館主幹の荒牧澄多さんです。荒牧講師は川越市役所在職中、伝統的建造物群保存地区の都市計画決定をはじめ川越市景観計画など、主に都市景観行政・文化財保護行政に携わり、多大な功績を残され、現在はNPO法人全国街並み保存連盟のほか、NPO法人川越蔵の会、NPO法人川越織物市場の会でご活躍です。

 午前中は、市立中央図書館視聴覚ホールでの座学です。講師の豊富な知識と経験に基づき、文化財保護の体系、十カ町四門前郷分町の町づくり、明治の大火の大きさ、街づくりの歴史、川越の建造物保存施策、伝建地区、保存の拡大と町づくり規範、町並みの移り変わりのほか蔵造り建物の特徴などについて、画像を通じて分かり易く説明して頂きました。そして午後に現地学習するりそなコエドテラス、旧山崎家別邸、旧川越織物市場、川越キリスト教会について、建物の歴史や特徴、見どころなどをレクチャーして頂きました。

 午後は市内歴史的建造物を見学する町並みウォッチングです。
 りそなコエドテラスでは銀行時代の名残りを残す旧金庫室と旧頭取室、蔵づくりの町並みや時の鐘をのぞむ展望台を3グループに分かれて自主見学しました。
 旧山崎家別邸では邸内での講師による解説と見学、そして庭園の自主見学とを2グループに分かれて行いました。主屋の見学では設計者・保岡勝也の秀逸かつ凝った造りやステンドグラスなどに受講生の皆さん目を見張っていました。
 旧川越織物市場に向かう途中でお茶亀屋、大正ロマン通りの主要ポイントで立ち止まり、蔵づくりの外構解説や周辺建物と町並みの解説がありました。
 旧川越織物市場では土庇や出桁造りなど市場建築の特徴について説明を聴きました。
 川越キリスト教会では初めに外観の説明があり、礼拝堂内に入って建築構造の特徴などの解説を受け、その後にパイプオルガンの演奏を聴かせていただきました。この催しはふるさと塾初めての試みで、荒牧講師の発案に基づきキリスト教会牧師の奥様で小江戸塾会員の鈴木順子さんのお骨折りにより実現したものです。生のパイプオルガンの演奏を聴くのは初めてという受講生もあり、多くの方が感激されていました。

 受講生の皆様からは「歴史的建造物をはじめ川越をより深く知ることが出来た」などの声があり、概ね好評のうちに講座を終了することが出来ました。