「ふるさと塾」第10回講座
ふるさと塾第10回講座が11月19日(水)に「川越の歴史的建造物と町並み保存」をテーマに開催されました。講師は元川越市立博物館主幹の荒牧澄多さんです。
午前中は市立中央図書館視聴覚ホールでの基礎学習です。講師の豊富な知識と経験に基づき、文化財保護の体系、十ヶ町四門前郷分町にはじまる川越の町づくりの歴史、伝統的建造物群保存地区や川越の建造物保存施策、保存の拡大と町並みの移り変わりのほか蔵造り建物の特徴などについて、画像を通じてわかり易く説明していただきました。そして2011年東日本大震災に際して香取市で発生した液状化による地盤沈下や、2024年能登半島地震での建造物の損傷と地盤変動など大きな被害状況を映像を見ながら説明されたので、改めて被害の重大さと震災対策の重要性を認識させられました。
午後の現地学習は、市内の歴史的建造物を見学する町並みウォッチングです。
りそなコエドテラスでは銀行時代の名残を残す煉瓦造の旧金庫室、いかにもと思わせるデスクが置かれた旧頭取室、蔵造りの街並みや時の鐘をのぞむ展望台を3グループに分かれ順次自主見学しました。蔵造りの町並みを俯瞰してみて、改めて蔵造りの街並みの魅力を感じることができました。
旧山崎家別邸は休館日のため入口ゲート前での解説となりましたが、建物内部にも及ぶ荒牧講師の入念な解説を聞いて別途個人的に見学してみようとの声が聞かれました。
旧原田家住宅は屋号を「足立要(あだよう)」という江戸時代から続いた旧米穀問屋でした。高い箱棟や大きな鬼瓦と影盛、厚みのある観音開きの戸が特徴的な店蔵のほか、奥に続く住居棟と3階建の文書蔵を建物脇の敷地内から解説をしていただきました。
最後は日本聖公会川越キリスト教会です。煉瓦造である礼拝堂の構造的な解説や定礎などについての荒牧講師からの説明のあと、教会オルガニストで小江戸塾会員の山崎さんからパイプオルガンの話と演奏をしていただきましたが、その音色に皆さん癒されて満足げな様子でした。
座学では専門用語を交えてのやや難しい解説でしたが、受講生の皆さんは興味深く熱心に聴講されており、現地学習の場所がコンパクトに纏って歩行距離が少なかったこともあり、全体として概ね好評のようでした。川越キリスト教会の礼拝堂をお借りして振り返りを行い解散となりました。









